宅配水業界はすでに安定期。勝ち残るためには人材育成が必須。

―これまでの歩みと今後の展望をお聞かせください。

弊社は今年設立10周年を迎えました。私が社長に就任して6年ですが、おかげさまで、右肩上がりで売上を伸ばしています。でも、その結果はたまたま時流に乗っただけだと考えています。今、宅配水業界は大手企業が参入したこともあり、お互いにシェアを取ったり取られたりの状態。これからの10年は、今までのような勢いだけでは勝ち残ることができません。そんな課題を前に、実は以前から社員教育や幹部育成の必要性を感じていたのですが、なかなか腰が上がらず、何も手をつけられていなかったのが実態でした。

―そこから大澤さんとの出会いにつながったのでしょうか？

もともと親会社の常務が大澤先生と知り合いだったのがご縁です。グループ会社全体でも、これからの時代に社員教育は欠かせないという話になり、弊社から始めることになりました。しかし、私自身、研修というものに参加したことがなかったこともあり、最初は半信半疑でしたね。期待より不安が大きかったです。

―実際に研修を受けられていかがでしたか？

さすがプロだな、と思いました。人間味溢れる話で全員がぐいぐい惹きつけられ、気づいたらすっかり大澤先生のとりこになってしまったという感じです（笑）。たった2日間の短期研修でしたが、社員のことをおおよそ見抜いていましたし、私自身も全部見抜かれていましたね。その上で、どうしたらこの会社がもっと良くなるかを考えてくれて、そのスキルの高さと熱意に感動しました。

大澤先生の助言で、設立10周年を節目に社員総会を開催。

―その後、大澤先生からどんなサポートを受けられたのですか？

大澤先生から、会社をさらに良くするためには「会社としてどこに向かうのか」をきちんと社員に示さないとだめだと言われました。そこで、目前に迫っていた創業10周年を機に、社員総会を開いて、それまでなかった企業理念・ビジョンを発表することにしたんです。でも、何から手をつけていいかわからなかったので、大澤先生の力を借りて一緒にストーリーを創りあげていきました。私は、「出会い」「縁」「感謝」というフレーズが好きなのですが、それらを社員全員と共有し、どこへ向かっていくのかを先生と考え、最終的に理念を「出会いを求め豊かに挑戦」、ビジョンを「達成を実感する会社」としました。

―理念・ビジョンに込めた思いを教えて下さい。

市場が安定期に入った今、どんな些細なことでも社員が「達成」を実感できる会社でないと勝ち残れないと思っています。例えば「配送車を毎日きれいに掃除する」という小さな目標でも、一度やると決めたらきちんと達成することが、社員の日々のやりがいになっていく。その積み重ねが、最終的に会社の達成感につながると考えています。そして、達成と同じく人間力も大切。これからは、クリクラのブランドだけで勝負できる時代ではなく、社員一人ひとりが人間力を高める、つまりお客様との出会いやご縁に感謝を持つ姿勢が欠かせません。そういう意味では、大澤先生との出会いは大きかったですね。マナーなど人としての基礎能力の大切さに改めて気づかせてもらえました。

研修で社員の姿勢に変化が。マネージャーも目に見えて成長。

―研修や社員総会を終えて、社内の変化を感じますか？

研修を受けて、社員の姿勢が明らかに変わりましたね。私の思いを部下たちが感じ取って現場を引っ張って行ってくれるので、私の出る幕がだんだん少なくなってきたのを感じます。また、社員総会をきっかけに、当日発表を行ったマネージャーが目に見えて成長しました。コミュニケーション能力が高くチームの統率力もあるのでマネージャーに抜擢した人材なんですが、デスクワークが性に合わずパソコンも苦手という弱みがありました。そんな彼が、プレゼンを任せた途端毎日パソコンの前で奮闘。どんなフレーズにしたら皆に伝わり、納得してもらえるのか、表現方法まで自主的に考え始めたんです。正直、彼をマネージャーに抜擢したことを疑問に思っていた社員もいたんですが、その懸命な姿を見て、皆も彼を認め始めた。すごく嬉しい変化でしたね。

―社長ご自身が感じる大澤さんの魅力とは？

2日間研修を受けて感動しましたが、感動なんて時が経てばすぐ薄れてしまうもの。でも、大澤先生の研修は、些細なワンフレーズでも心に残るなど何か感じるものがあったので、総会までお願いすることになりました。最初は研修に疑心暗鬼だった私ですが、今は、私たちの未経験な部分の引き出しもたくさん持っている先生に心底惚れ込んでいます（笑）。社員を少しでも幸せに、豊かにするためには、教育も必要な投資。会社をもっと良くしたいから、大澤先生と長い付き合いをさせていただくと決めたし、とことんついていきたいと思っています。

―今後、大澤先生に期待することは？

次のステージに行くために、全体の基礎研修だけでなく、中核メンバーだけの研修・育成も考えています。今後、中間の役職が意欲的に上を目指し、次の社長を目指す楽しみも持てるような環境をつくっていきたいですね。まだまだ道半ばなので、もちろん大澤先生にも大いに協力してもらわないと。個人的な希望を言うなら、もうちょっと優しくしてほしい・・・（笑）。私自身も、「社員を幸せにする」という約束を達成していくために、これからも先生のご指導を頼りにしていきたいと思っています。